押し掛け対策委員会

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1.申込押し掛け - ケース1(隊長さんの場合)

時期
犯人高校生
被害特になし

私が最初に遭遇した事件は、私が事務を努めているイベントに絡んだ物でした。

イベントの開催を目前に控えたある日の深夜、家の引き戸の玄関を叩く音が聞こえました。

その時家には私と父の二人しかおらず、母と姉は旅行中でした。

私は自室で行っていたイベントの準備を中断して玄関に行くと、そこには高校生ぐらいの男の子が立っていました。

彼はうつむいたまま引き戸をガンガンと叩いています。うちの引き戸は経年劣化で外れやすいので、すぐに声を掛けました。

「どちら様ですか?」

こちらが声をかけると、引き戸を叩くのはやめましたがまだうつむいています。

その段階で、ちょっと不気味な感じを覚えました。

「…○○といいますが、A(私の名前です)さんのお宅はこちらでしょうか…」

彼はうつむいたまま、ぼそぼそとした声で尋ねてきます。

「そうですが、こんな遅くにどういったご用件でしょうか?」

「…△△(イベントの名前です)の申込書を持ってきたんですけど…」

そのイベントはすでに申込を締め切っていて、追加申込もやっていません。

「すいませんがそのイベントは申込を締め切ってます。お引取り下さい」

「そんな事言わないでお願いします」

「そう言われましてもできません」

一瞬静寂が玄関先に流れました。

この時、考えていたことは二つ。

素直に引き下がるか、切れるか。

彼は後者でした。

うつむきかげんで、以下のようなことを喚きだしました。

見事な厨理論です。

今すぐ引き戸を開け、その顔面を殴り飛ばしてやろうかと思う気持ちを堪えていると、彼は顔を上げながら最後の一言を言い放ちました。

「てめえが△△のスタッフじゃ一番偉いんだろ! そんな事もできねえのかよ!」

「いいえ。違いますが」

冷静に私は返しました。

「へっ?」

私は最初に書いたように事務担当で、代表ではありません。

どうやら彼の頭の中では、「チラシに住所を掲載しているのが一番偉い」と言う考えを持っていたようです。

不意を突かれた答えを聞いて唖然としている彼に、私は冷静を装いつつ口を開きました。

と、言うようなことを優しく言うと、彼はまた喚き立てました。

「ふざけんな! ホテルに泊まれって言うんならそのホテル代もさっき言った交通費と 一緒にして渡しやがれ! 夜で迷惑っていうんなら明日の朝来てやるからよ」

その言葉を聞いた瞬間、私の中で何かかプチ、という音と共に切れました。

「いい加減にしろやゴルァ!」

まだ何かを喚こうとしていた彼は、私のあまりの剣幕に気まずそうな顔をしました。

しかし、手を緩めず、一気に畳み掛けます。

「人が穏便に済ませようとしているのに、その態度はどういうことだ、あぁ?  てめえで勝手に来ていて交通費出せ?ホテル代も出せ?明日の朝来てやるから? 馬鹿にするのもたいがいにしろ! 何様のつもりだ! もうカタログも刷りあがってるんだよ、入れろって言うんなら新しく刷る分の金は払ってくれるんだろうな!」

怒鳴り声を聞いて、初めて自分の状況に気付いたのか、泣きそうな顔をこちらに向けてきますが、それを無視。騒ぎを聞いて二階から降りてきた父に警察に電話するように伝えました。

警察という言葉を聞いた彼はいきなり泣き出しました。

警察に行くと親が呼び出される。親には迷惑掛けたくないからやめてくれ。

そう泣きわめく彼を監視しつつ、父に電話を頼み、待つこと十数分。

警察が彼をお持ち帰りされました。

彼が家に来た理由は、

というこっちの都合とスケジュールをまるっきり無視した三段論法を炸裂させた為と判明。

翌日、ご両親が挨拶に来られ、今回のイベント当日には家から出さない。学校に対して起きたことを報告させてもらう。該当するサークルさんには別の場所でも迷惑を掛けない。の三点を中心に念書を書き、平穏無事に終わりました。

が、この事件から約半年に渡る色々な事件が始まったのです。

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